アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、慢性的に湿疹が続く皮膚炎で、乳幼児から成人まで幅広い年齢層に見られます。湿疹の特徴としては、体の左右に同じ場所に現れ、症状が改善したり悪化したりを繰り返すことがあります。
この病気の原因は完全には解明されていませんが、皮膚のバリア機能の低下、アレルゲンの侵入(ダニ・ほこり・食べ物など)、ストレスなどの多様な要素が関与していると考えられています。原因や症状は個々に異なり、アトピー性皮膚炎を悪化させる要因も人によって違います。
アトピー性皮膚炎の治療は、適切な治療で症状をコントロールし、その状態を長期間維持することで、症状がなくなる「寛解」を期待するものです。治療の目標は、「症状がないか、あっても軽く、日常生活に支障がない状態」を維持することです。治療法は皮膚のバリア機能を保つ保湿治療と、炎症を抑える抗炎症療法が基本となります。
新薬の「デュピクセント」は、「IL-4」と「IL-13」の働きを抑え、2型炎症反応を抑制します。これにより、皮膚の内部に起きている炎症反応を抑え、かゆみや皮疹などの症状を改善します。これは、重度のアトピー性皮膚炎の人々や、従来の治療法で効果が得られない成人アトピー性皮膚炎の人々に対象となります。