アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の治療について
「もう、痒くて眠れない…」その辛さ、一人で抱え込まないでください。
アトピー性皮膚炎は、もともとアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)や、お肌のバリア機能が弱まっているところに、様々な刺激が加わって起こる「慢性的な湿疹」です。
「掻いてはいけない」と分かっていても止まらない強い痒み。それは決してあなたの意志が弱いせいではありません。当院では、まずは今の辛い症状を素早くリセットし、その先の「再発しない健やかな肌」を一緒に目指していきます。
アトピー性皮膚炎治療のステップ
当院ではアトピー性皮膚炎の治療を段階的に行っています。まずは炎症を抑え、そのあとで良い状態をキープすることを目指します。
ステップ1:まずは炎症を鎮める(従来療法)
症状がひどい状態で来院された場合、まずは今起きている激しい炎症を鎮めることが最優先です。そのために、長年の実績があるステロイド外用薬や内服薬は、今でも欠かすことのできない「守護神」のような存在です。
| ステロイド外用薬(塗り薬) | 炎症を抑える力が非常に強く、ゴワゴワした皮膚や強い赤みを素早く鎮めます。 |
|---|---|
| 内服薬(飲み薬) | 痒みが強くて眠れない時や、全身に症状がある場合、抗ヒスタミン薬や一時的なステロイド内服などで、体の内側から炎症をコントロールします。 |
「ステロイドは怖い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、医師の指導のもとで「必要な時に、必要な量を、正しく使う」ことで、安全に、劇的に症状を改善させることができます。
ステップ2:良い状態をキープし、お肌を育てる(最新の新薬)
ステロイドで炎症が収まったら、次は「火事の起こりにくい肌」を作っていくステージです。ここで今、非常に大きな力を発揮しているのが「画期的な新薬」たちです。
当院では、ステロイド依存を減らし、つるつるの肌を維持するために、以下の最新薬を積極的に導入しています。
ブイタマークリーム(最新のAhR作用薬)
2024年に登場した最新の選択肢です。細胞内の「AhR(アリル炭化水素受容体)」というスイッチに働きかけます。
- 炎症を抑えるだけでなく、お肌のバリア機能(フィラグリンなど)を自ら高めるという、画期的なダブルアクションが特徴です。
- 1日1回の塗布で済むため、お忙しい方にも喜ばれています。
コレクチム軟膏(JAK阻害薬)
痒みや炎症を引き起こす信号(JAK)をピンポイントでブロックします。
- ステロイドに見られる「皮膚が薄くなる」といった副作用の心配が少なく、顔や首などデリケートな場所にも長く安心して使えます。
モイゼルト軟膏(PDE4阻害薬)
細胞内の炎症バランスを整える新しいメカニズムのお薬です。
- 赤ちゃんから大人まで、副作用を抑えながら「良い状態」を長くキープする(プロアクティブ療法)のに非常に適しています。
当院のアトピー性皮膚炎治療方針:ハイブリッドなアプローチ
私たちは、従来の良い薬(ステロイドなど)と、新しい画期的な薬(ブイタマー・コレクチム・モイゼルト)を、あなたの今の症状に合わせて「いいとこ取り」で組み合わせていきます。
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攻めの治療
ひどい時はステロイド等で一気に治す。 -
守りの治療
良くなってきたら新薬に切り替え、副作用を避けつつお肌の基礎力を上げる。 -
セルフケアのサポート
お薬の塗り方や保湿のコツを、丁寧にお伝えします。
よくあるご質問(Q&A)
| Q. ずっとステロイドを使ってきましたが、新薬に変えられますか? | A. はい、もちろんです。いきなり全て変えるのではなく、症状を見ながら徐々に新薬へバトンタッチしていくことで、ステロイドの量を安全に減らしていくことが可能です。 |
|---|---|
| Q. 新薬は、これまでの薬と何が違うのですか? | A. 従来のステロイドが「炎症全体を強力に抑え込む」のに対し、新薬は「炎症の特定のスイッチをオフにする」「肌のバリアを内側から補強する」といった、より精密で優しいアプローチが得意です。 |
| Q. 治療費が心配です。 | A. 新薬は従来薬より薬価が高い傾向にありますが、その分、再発を抑えて通院回数を減らせるメリットがあります。また、こども医療費助成なども利用可能ですので、まずはご相談ください。 |
医師からのメッセージ
「アトピーだから、痒いのは当たり前」……。そんな風に諦めていた患者さんが、最新の治療でつるつるの肌を取り戻し、笑顔で再診に来てくださるのが私たちの最大の喜びです。
昔ながらの確実な治療と、最新の医学。その両方を味方につけて、あなたにとっての「ベストな選択」を一緒に見つけていきましょう。
どんなにひどい状態でも、出口は必ずあります。まずは安心してお話しに来てください。
